利休にたずねよ | 鬼城

利休にたずねよ

2013.12.12.Thu.18:00
山本兼一氏

第11回松本清張受賞「火天の城」
第140回直木三十五賞受賞「利休にたずねよ」
どちらの作品も映画化されている。

今回は松山まで行く用事があり、衣山サンシャインで「利休にたずねよ」の映画を見ることにした。
小説は各茶人の視点から「利休」を描き、映像化は難しいと思っていた。
脚本家とは偉いもので一つの「香合」を小道具に筋立てしていた。

仕事柄、今までいろんな歴史を描いた文章を読んだ。
残念ながら私にとっては史実に基づき、書かれた歴史はおもしろくない。
史実を核としながら脚色して物語(特に人間としての会話)にしているものが好きだ。
そのためには視点が必要だと思う。
この作家の視点は「火天の城」も同じだが、今までにないもの・・・これがおもしろい!

利休にたずねよ

利休に訪ねよパンフレット

作家、山本兼一氏がこの人しかいないと言われた「市川海老蔵」
相手役を見事に演じた「中谷美紀」

茶人としての所作など見逃せない。
アップの目線・・・

表

利休たずねよ

飽くなき美へへの追求、最大の謎・・・
「あなた様にはずっと想い人がいらっしゃったのでは・・・」
その答えは何?
謎の答えは「香合」「木槿」・・・

使われているセット、場所、お道具類が見逃せない。

場所(ロケ地) 
大徳寺「金毛閣」
裏千家「今日庵」
三井寺
大徳寺
神護寺
南禅寺
彦根城他 

茶碗
熊川茶碗 銘「山路」
黒茶碗 作 細川護煕
井戸茶碗 銘「春日」
長次郎作 赤楽茶碗 銘「小手巻」
長次郎作 黒楽茶碗 利休所持 万代屋宗安伝来 銘「万代屋黒」

料理
京都祇園丸山 丸山嘉桜

セット
黄金の茶室
北野天満宮の大茶会
国宝「待庵」  

 その他
緑釉の香合 上野焼 徹山窯三代目 山岡徹山
ウェネチアン・グラス 土田康彦
豊臣家の桶 京都慈受院蔵
 手紙 木下真理子による本物の臨書
茶杓 利休作
花 池坊御家元御用達「花市」
箸 宮内庁御用達「箸膳本店」
香木 「山田松香木店」

裏
コメント
私が、この映画に注目した事の第1は、海老蔵と死を間近にした団十郎の親子共演って事でしたが、視点は深いところにいくつもあるのが解りました。
 こういう映画は、劇場の大スクリーンで見なくてはと思います。中谷美紀も魅力的な女優さんですよね。JINやNHKでの白州正子役。この映画でも見てみたいです。
私は劇場へゆけませんので、DVD発売まで待つことにしていますが、果たしてそれまで生きているかどうか?故団十郎のようにならぬよう癌を厭いながら待つことにしています。もっとも小説は読みましたけれど。小説、構成が洒落ています。
団十郎と海老蔵のDVD(勧進帳や紅葉狩り、助六など)は幾つか持っていますので良く見ます。この映画の「茶道具」は本物を使ったのだそうですね。楽しみにしています。
細かな表現は・・・
吉野の食いしんぼう 様
思っていたより、海老蔵の演技がすばらしかった。親子共演もさることながら、お茶に対する姿勢などいろんな場面で垣間見えました。半年経てばDVDが出ますが、大画面の迫力と映像に中に溶け込む雰囲気は映画でないと・・・是非ご覧になってください。
知識
木下博民 様
山本兼一氏の小説は視点が評価され、直木賞に選ばれたのでしょうね。同じ作家の「火天の城」も宮大工が主人公でセットなどもすごいものでした。この映画で穴太衆の存在を知りました。世の中、知らないことがほとんどです。小説や新聞の文字より、映画やDVDなど映像より、景色など視覚により、自分の見識を広めていきたいと改めて思いました。
熊川(こもがい)茶碗「山路」は松浦鎮真(平戸4代当主)所用のもので映画では利休より山上宗二が授かった茶碗として登場する。秀吉が投げ捨てる場面があるが、これは勿論・・・(笑い)本物の価値は分からないが、やはり道具は道具、使ってこそ意味がある。
 19歳の頃、東京の予備校に通いながら、浪人をしていたときのことでです。予備校の教科書の中に司馬遼太郎の文章が出ていました。司馬遼太郎について、その名前くらいしか認識がなかったので、当然、それが初めて司馬遼太郎のの文章に触れた体験でした。その内容は、秦の始皇帝の話であったと思います。私にとっては、秦の始皇帝を小説にするという発想すら初め触れた体験でもあったので、大変驚いたのを覚えています。しかし、その小説の中の始皇帝が、たった今も生きているかのごとくしゃべったりする様子に唖然としてしまったのを鮮やかに思い起こします。もちろん、作者の創造力がが作りあげたものと分かっているのですが、どきどきしてしまいました。そして、筆の力の何たるかを知った気がしました。「利休にたずねよ」も読んでみたいものですね。
おもしろい本
tentijin 様
 山本兼一氏の文章はわかりやすく、視点がおもしろい。司馬遼太郎氏とちょっと違いますが、おもしろい小説家です。私が好きなのは大衆小説家なんです。誰が読んでも読みやすく、おもしろい。「竜馬がゆく」も史実ではないからおもしろい。登場人物も種々様々・・・お田鶴さまや寝待ちの藤兵衛など創作の人物があたかも幕末にいたかのように書かれている。歴史の小説には古文書の抜き書きみたいなものもあるけれどこれは読解力のなさか、分からない。つまり私にとってはおもしろくないのです。
 長々と書きましたが、大衆の好まれるものが一番だと思います。本屋大賞などが良い例ですね。
このブログをご覧になっておられる諸先生方に、先日の宇和島歴史研究会の近藤先生の講演をお聞きになった形がおられましたら、ご感想を承りたいものです。
大変凄い講演会であったので、おそらく郷土史研究の一歩前進の気運が起こっていると思うのですが。
映画
利休の出てくる映画ではこれほどの映画はなかったと聞きました。宇和島に映画館がないので映画も遠くなりました。
残念ながら・・・
木下博民 様
残念ながら私は所用があり、うかがえませんでした。100人ほどの会だったとか聞いています。定期的に決められた日であれば、都合をつける人もいるかもしれません。残念に思いますが、地方の文化には限界があります。江戸東京で「篤姫展」が行われたとき、藍山公記が展示されました。内容は島津と宇和島の関係でした。見に行ったとき、あまりにも大勢の人が群がって見ることが出来ませんでした。さて宇和島は・・・特別展で武家諸法度の原本(重要文化財)の展示は素通り・・・古文書などは地方ではあまり興味を持たないと言うことを知りました。形あるものであれば人が呼べます。今回の参加者のほとんどは会員の方たちでしょう。内容は伊達博物館ブログにあります。
映画館がほしいですね・・・
うわつ 様
 閉館になっても今治はすぐ出来たのに・・・行政からも文化的な活気ある街にしてほしい。
 海老蔵の演技がよかったですね。いろいろと見た人によって批判はあるでしょうが、私は映像の美に感動しました。まるで「うわつ」さんの写真を見るようでした。訴えるものに焦点を当て、ぼかしを・・・
 物語そのものは作り事・・・山本兼一氏の視点の付け所でしょう。謎の利休は今までに三国廉太郎、三船敏郎さんが演じています。むかし、BSで撮ったDVDがありますからお持ちします。冬の夜長、暇を見つけて見てください。

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